パチスロゲームの多様性

最近ではパチスロ機の登場とゲームソフトの登場を同時期に行うマーケティング戦略が頻繁に起きている。パチスロ機のゲームソフトへの移植はギャンブル性を抜きにしてもパチスロが面白いという事実の裏づけだと思う。かつて、強烈な出玉を実現してきた機種はゲーム性がシンプルなものが多かった。エンターテイメント性を重視する傾向は打ち手の多様化(ギャンブルをベースに考えていない人の増加)によるものだと考えられる。SNKプレイモアをはじめ、山佐・サミー・大都などはパチスロ機を家庭用ゲームソフトとしてシュミレーションソフトを発売している。借金をしてまでパチスロに依存してしまう人を救うある種の処方箋的な役割もあるかもしれない。特にビスティなどのエヴァンゲリオンシリーズのパチスロ・パチンコも半年程度でゲーム化している。もちろん、パチスロ機の売り上げとは別にゲームソフトの売り上げによる利益向上を目的としている。これらパチスロゲームの特徴は18歳未満でも遊べる点だ。ギャンブルに関して18歳以下の遊戯が禁止されているのであり、ゲームソフトとしてパチスロを遊ぶのに年齢制限は必要ないというのが理由らしい。
年齢制限がないために、パチスロ機の演出の完全再現が出来ない機種もあった。例えば俺の空(ロデオ)や押忍!番長(大都技研)など性的に行き過ぎた演出は若干手が加えられている。KPEが未だにゲームソフトとしてパチスロタイトルを出していないのは少し疑問だ。

パチスロゲームは、設定を自分で変更できる為その機種の本来の性能を堪能することも出来る。ホールで高設定を掴めばそれに越したことはないが世の中そんなに甘くない。時代の流れで好きな台や流行の台も変化する、自分の好きな機種がいつまでも設定を入れてくれるほど恵まれているとは考えにくい。また、触れたことのない機種をゲームでプレイするといった事も出来る。シュミレーションとしての価値は十分あると思う。
ケータイの機能が充実して、パチスロゲームをケータイでプレイすることも出来る。現在では実機に近い演出やシュミレーションを実現している。ただ、グラフィック的に妥協する部分が多いのも事実だがゲームソフトと比べるとリリース時期も早いためシュミレーションとしては最適だ。また時や場所を選ばないという利点も大きい。電車の中で、自分の好きなパチスロを練習できるというのもうれしい。

パチスロ5号機になり、4号機の頃に比べエンターテイメント性は増している気がする。
ギャンブル性(射幸性)の低下というのはつまり、上記であげたゲームソフトのように面白くないと打たないといった基準が出てくるということだ。パチスロ機はゲームソフトに似ていると感じるのはそのせいだろう。現在はネットワークに接続したゲーム機器が多く出ている。ぜひとも家庭用ゲーム機でバーチャルなホールを再現して欲しいものだ。サミー777タウンなどでは、メーカーの垣根を排除して多くの機種がホールさながらに遊べる仕様になっている。
経済の不景気というのは、ギャンブルなどへあまり影響しないとされていた。しかし、日本の場合ギャンブルにも規則や法令があり、時代によって変化している。そのため、不景気と射幸性の低下があまってギャンブルに執着するリスクが高くなってしまった。
こうした状況でもパチスロが文化として残っていくためには、ホールという限定的な場所で遊べる遊技機としてではなく、家庭用ゲームや携帯ゲーム機などへのソフト移植を考えた展開が重要になってくると思う。