リール絵柄とパチスロの関係

http://www17.ocn.ne.jp/~sarinfo/rekisi_frame.html
リールの絵柄を考えることは意外と難しい。

スロットマシンは、1899年(明治32年)、アメリカで誕生しました。マシン名は「リバティ・ベル」です。  
「3つのリールが回転し、絵柄が揃うとコインが払い出される」という基本動作は、ここで完成されました。
絵柄にはまだフルーツは存在せず、「ベル」や「トランプ絵柄」などが採用されています。
「3つのリール」等の機械的な基本要件の追随以外にも、各メーカーが競うように自社製品に「ベル」という名前を付けたことにより、3リールのスロットマシンを象徴する代名詞的な言葉として「ベル」が定着するようになりました。

「リバティーベル」は直訳すると「自由(解放)の鐘」です、リール絵柄の「ベル」はパチスロの歴史を背負った偉大なシンボルだった。競合メーカーのパチスロ機に「ベル」という名前をつけることで、パチスロ機を象徴する言葉として進化した「ベル」は現代のパチスロ機でも登場する絵柄だ。小役だけど、そのルーツはもはや打ち手を凌駕した存在だった。明日から、小役のベルが揃ったら心から敬意を表したいと思う。このリバティーベルで採用されていた絵柄は「ベル」「星」「ハート」「スペード」「ダイヤモンド」で、「7」絵柄は存在していませんでした。

日本と同じく、やはりアメリカでもスロットマシンは「ギャンブル機」とのレッテルを貼られることが多く、当局とメーカーの間で「ギャンブル機か否か」のせめぎ合いが各資料でよく見られます。
その過程で、1910年(明治43年)、アメリカのミルズ社が「スロットマシンはギャンブル機ではなくガム自販機」と主張するにあたり、スロットマシンにガム自販機を取り付けたマシンを発売します。
そのマシン名は「リバティ・ベル・ガム・フルーツ」ですが、そこで初めてスロットマシンの絵柄に「フルーツ」が登場しました。
採用された絵柄群は、「BAR」、「ベル」、「オレンジ」、「プラム」、「レモン」、「スペアミントの葉」の6種類で、フルーツはガムの味の種類、また、「BAR」はそのガムのブランド・マーク(商標)です。
同じ年に引き続きガムの自販機が付かない「オペレーターズベル」を製造し、その際に「スペアミントの葉」は「チェリー」に差し替えられた。

ギャンブル機ではなくガム自販機として主張する為に、「フルーツ絵柄」が誕生した。さらに驚くことにフルーツはガムの味の種類であり、「BAR」はそのガムのブランド・マークだということ。「オレンジ」や「プラム」、「レモン」はベルの代わりに登場する場合が多く現代のパチスロ機でも健在です。チェリーと言えば、パチスロ機ではもっとも活躍し「みんなの期待を背負う」ことが多い絵柄です。それは「スペアミントの葉」から由来するもので、同年にガムの味にチェリーが加わったからなのか、それとも「インパクト」など見た目の問題で変更になったのかは定かではないらしい。現代のパチスロ機の絵柄は古くパチスロ起源時代から受け継がれたものであり、伝統を守り通して作られたエンターテイメントはダーツやボーリングなどスポーツ(競技)の世界に似た感じがします。さて、続いて「BAR」の存在ですが、ビックボーナスの代名詞とも言える「7」絵柄よりも前に登場していました。ある意味「レギュラー」な展開ではありますが、商標が絵柄として後世に残る事は誰も予期していなかったと思います。明日から、バケが揃ったら心から敬意を表したいと思う・・が、そうは言ってられそうもないのが現実だ。「7」絵柄は1980年代になり、リール絵柄の序列の鮮明さを優先させる傾向になった時に登場したとされている。
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パチスロ機は小さな筐体(見た目とは逆に意外と重い)の中に様々な世界観やエンターテイメントを創造している。パチスロのメインはリールであり、液晶画面はサポートというのは今も変わらない。もちろん、演出上音や光・液晶と言った進化がパチスロを面白くさせているが、打ち手がリールを止めて絵柄が揃う興奮こそ1899年から受け継がれゲーム性である。
フルーツ絵柄を語る上でもっともユニークだと感じるのが夢夢ワールドDX(SANKYO)や7cafe(SANKYO)などの機種だ。これはレモンやオレンジ、プラムなどが存在しつつも新規にブドウやメロンなどといった新しいフルーツが登場している。青ドン(ミズホ)などHANABIシリーズ伝統の「七」絵柄(他機種では出せないのには訳がある)は日本の独自性とパチスロの融合でもある。5号機規定では4号機の頃よりリール絵柄数の上限が増えた、その事で「ブランク」絵柄が多くの機種に搭載され「役割」に縛られない自由な絵柄パチスロの世界観を豊かにしている。2コマを利用したリール絵柄など、リール絵柄の世界は広がりがある。リール絵柄を考える際、従来の認識性を重視しながらもパチスロ機の世界観に合ったものでなくてはならない。演出に何かと注目が行きやすい今だからこそ、もう一度リール絵柄についてじっくり向き合うことも必要だと思う。