設定看破要素とコミュニケーション

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少し閑話休題の軽めの自論を展開してみます。

5号機は試打検定で細かいゲーム数による機械割の上限が決められている為、機械割と実際の出玉の挙動にブレが生じにくくなりました。それは設定別による出玉の推移も判りやすくなったと言うことです。4号機では低設定でもストック機ですから、連チャンゾーンに入って連チャンすることがありました。しかしながらストック機でない5号機はボーナス確率を上げる事や、通常時のコイン持ちを上昇させるといった通常時からの底上げが主な高設定の仕様になります。ART機能で出玉を稼ぐ機種もしかり、そのARTへの突入率こそが設定差となりコイン持ちの調整に一役買っているということになります。
そこで、ポイントとなるのが設定看破要素です。5号機は設定通りの出玉性能を期待できる半面、通常時からのベル出現率の差であったり、1枚役などボーナス期待度が高い役の同時当選率の差など設定差が細やかに出てきます。塵も積もれば山となるというわけで、小役カウンターを使用した設定看破が有効だという考え方があります。ただしそれは設定看破要素が通常時から行えるものである場合ですが。
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ホール稼動率の高い機種である「新世紀エヴァンゲリオンまごころを、君に〜」は設定看破要素が豊富です。看破しやすいかどうか、というのではなく看破要素が豊富であると言う事は打ち手が設定を推測しながら打つことが出来る。つまり、設定を推測することも遊びの一種として捕らえている機種と言えます。「青ドン」や「赤ドン」といった機種も設定看破要素があり、最高設定がほぼ確定する演出もあります。こうした機種は打ち手に設定を推測させることを視野に入れた設計を行っている事で、設定看破までにかかる時間を稼動率に比例させようとしている機種です。設定看破要素を入れることで、稼働率に直結するよう工夫している機種は打ち手にとっては非常に親切な機種と言えます。しかし、ホール側は設定看破要素があまり明確すぎた場合すぐさま高設定を見抜かれ(または低設定を見抜かれ)長時間粘られて、ガンガン出してしまいます。よって高設定が入り易いかといえば、必ずしもそうとは言えず。逆に低設定を使った場合、設定看破までのプレイ数(稼動)をそのままホール側のプラスに換算出来る為、ホール側にとっても非常に親切な機種と言えます。
設定看破というのは、パチスロの場合におけるコミュニケーションのひとつだというのが私の持論です。打ち手と機種が会話するツールである設定看破要素は、看破できた際の喜びも格段なものです。朝から狙い台を設定看破した際は打ち手と機種そしてホール設定師との3者間のコミュニケーションが行われます。もちろん、実際に会話はしませんから全て打ち手の頭(ないしは心)の中の宇宙で行われます。しかし、設定看破要素が必ずしも稼働率に直結するかといえば、答えはノーです。

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設定看破要素にも種類があり、ベル出現率の場合は全設定で出現する小役だけに数を数える作業に時間がかかります。それがそのまま稼働率に直結する場合です。しかし、高設定でしか出現しない小役や高設定では出現しない小役といった「明確な設定差」を含んだ看破要素は逆に稼動を下げる結果となります。例えば、「アストロ球団」「ドリスタ ミントのヒロイン救出大作戦」は小役の出現率に顕著な設定差があるため、最高設定看破に5000円もかからない稼動で判別出来てしまう可能性がある。その後粘るかどうかは打ち手次第だが、最高設定がない事は既にわかってしまってはやはりテンションが上がりはしないだろう。こうした「明確な設定差」が通常ゲーム中にある機種は、設定看破要素がアダとなり高設定を入れる機会がなかなか巡って来ない事が多い。設定看破要素は実に気を使う部分でもあり、ホール側・打ち手共に機種が橋渡しとして成り立つコミュニケーション機能であると言う事は上記の例からもわかると思う。
設定看破要素が通常ゲーム中にない機種「アイムジャグラー」といったジャグラー系の完全告知タイプは単独ボーナスの抽選率自体に設定差がある。ボーナスがたくさん当たれば高設定という仕組みは稼動率にもっとも貢献し易い設定看破要素だ。ジャグラーが5号機になり、稼動がまったく落ちなかったのには4号機の頃のジャグラーとゲーム性が変わらなかったという点も挙げられるが、ジャグラーの設定看破要素がボーナス当選率という事にも起因していると考えられないだろうか。ジャグラーはその機械割も高設定で110%に満たないので、ホール側も高設定を入れ易い機種だろう。そして、高設定を入れた場合は「誰でも」高設定を判別できるボーナス確率の差が「老若男女」問わずに稼動を味方につけることが出来る。さらにホール側が例え設定を告知しなくても、「高設定と見るからにわかる」という点も素晴らしい。ジャグラーイベント時はホール側もなるべく打ち手の期待に応えられるように設置台数の1/3以上は高設定を使ってくるだろう。

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コミュニケーションとして重要な役割を担っている設定看破要素は、機種の稼動性も左右する重要なファクターである。
設定看破要素が難しい台は、「出れば高設定、出なければ低設定」という出玉量での判別が主な要因になる。こうした機種は打ち手に委ねられる部分が多く高設定を入れたとしても「高設定→不発⇒低設定と思われる」という図式が負の連鎖を生み出す可能性がある。現在人気の「パチスロ戦国無双」は設定看破が難しいため、出玉量で設定判別を行うことになる。人気があれば稼動率が高いが、負の連鎖が一度起こるとそのホールではまったく人がつかなくなってしまう。設定看破はメーカーが作るパチスロ機に委ねられているため、ホール側としてはアツいイベントを用意して設定を入れつつ人気を回復させるしか方法がない。人気と稼動率が密接な関係を持っているパチスロ機では、長期間の稼動を見込めない可能性が高い。しかし、設定看破要素を多く盛り込んだ機種はイベント時などに稼働率を挙げることが出来る。もちろん設定の公開をホール側が行わなくても、打ち手が「高設定に気づく」という事が重要なコミュニケーションツールとしての設定看破要素である。
設定看破で筐体からの「ひそひそ話」的なコミュニケーションで打ち手のみ「高設定」が囁かれる瞬間を味わうことが出来る。