2027(JPS)第3回(全3回)

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特徴的なゲーム性を踏まえて、今後のJPSの展望を見る

設定に関していえば、上を使えば差玉が出て、下を使えばしっかり抜けつつ、間違って噴く時もある。さらに、一度座ってポイントを貯めてしまおうものなら基本的にはバトルモードに突入させるまで打たないと損をする……といった島唄チックなゲーム性や、バトルモードがちょっと長く継続すれば「高設定かも……」と粘り打ち、単発が続いてしまったり20ゲームで転落なんてしようものならアツくなって「次こそは!」と息巻いて打ってしまうような、設定推測の難しさとアツくなるポイントの明確さが、高稼働に繋がっていく。

バトルモード継続率を上昇させるポイントを貯める事で、バトルモード突入まで打たないと損をするというゲーム性が生まれ、稼働率が高い機種になった。止め時を明確にさせる(一度打つとその止め時まで粘らざるを得ない)部分では通常ゲーム中でありながら、バトルモード継続ポイントが加算されていく部分が非常に効果的だった。例えば、『モエる まりんバトる(エレコ)』や『赤ドン(ミズホ)』といったポイントを貯めてRT継続率に貢献するタイプの機種は、ボーナス中にいかにポイントを貯めるかという事が焦点になってくる。こうした機種は『とにかくボーナスを引かないことには始まらない』という概念があるが、『2027(JPS)』の場合は、通常ゲーム中にポイントを獲得することでボーナス→バトルモード継続率上昇→大量獲得というボーナスへ直結した期待感を持たせる事ができている。この巧妙なシステムこそ、他機種にはないもので通常ゲーム中にポイントを加算する要素は画期的だと思う。
設定看破要素に関しては、ボーナス中の演出などで見極める事ができる。この点は『ボーナスを引かないことには設定看破できない』というルールが存在しながらもボーナス確率が高いという打ち手にリーズナブルな機種である事が見事だった。キャラクター『ペン太』が一種のキーパーソンである事は非常にユニークだと思う。また、赤7(スペシャルリプレイ)当選時は貯めたポイントを消費せずに継続率95%の恩恵を受けられる事など、ポイントに関するフォローは他機種にはないほどデリケートな仕上がりになっている。

内部状態(高確・低確)によってBM突入率に変化がある。上記に挙げた止め時とも絡む重要なファクターであり、高確中にボーナスが引ければとアツくなるシーンを演出することができている。内部状態は液晶演出にヒントとして出る場合が多く、優と愛の会話の端々に見られる『チャンス』『海がアツい』といったキーワードから読み取ることができる。ステージは海底都市は高確状態確定であり、一番アツい部分である事が打ち手にも明確になっている。赤7(スペシャルリプレイ)当選時には、特有の演出が発生し優と愛の『待って!潜水艦が見える』は非常にテンションがあがるというのが個人的な意見だ。スペシャルリプレイは設定差が明確なため、低設定はめったに見ることができない、逆に高設定であれば1日に7回ぐらいは見ることができるかもしれない。
ゲーム性に関しては申し分ない出来である、次は演出的な部分を考えてみることにする。まず、BM中の演出は前回の記事に書いてあるので割愛する。通常時の演出は主にクルーの会話で成り立っている、ランダムで退屈しない会話が繰り広げられる。少し下ネタだったり、人間関係がわかる細部にまでこだわりがある台詞なども非常に面白い。前作『ぐるぐる爆侍』に似ていると感じるランダム演出は、2027ではさらに練られて昇華していると感じる。通常画面中に潜水艦を常に水中カメラで覗いているような演出がある、この覗きカメラ演出こそ2027で一番の裏方的存在だろう。打ち手がとセンチュリオンが一体化するバトルモード演出の際には覗きカメラはなく、通常時とバトルモード中とのメリハリを視覚的にはっきりとわかるように作られている。演出というのは、打ち手に筐体が語りかける部分でありメリハリがきっちりしている場合は打ち手の反応も明確になる。打っている最中に「あれ、ボーナス入っていた」なんてシラケた空気でボーナスに当選する事をメリハリの効いた演出で回避できる。2027では敢えてカメラという存在を打ち手に認識させる事によって、その後の演出に効果的な役割を持たせることに成功している。

機械割は設定3から100%を超えているほどのハイスペック機であり、最高設定では116.05%にまでなる。
当然高設定であればスペシャルリプレイの出現確率が現実的なものになるため、一撃1500枚程度が何度も体感できるだろう。スペシャルリプレイの継続率は95%だが、真のエンディング3000G突破は0.06%の可能性でしかない。しかしながら、その真のエンディングまで興味をそそられるようなシナリオの出来はすばらしい。本来、パチスロ機でシナリオが作りこまれた機種はあまり存在しない。特にパチスロ演出ないで、シナリオの大部分を物語るような仕組みの機種は2027以外ないと思われ、パチスロの歴史上連続演出最大800Gという金字塔まで作ってしまった。歴史に名を残した機種になったということは疑う余地もない。シナリオだけでなく、キャラクターの名前にもヒントがたくさん存在する。例えば主人公の鳴海恵介はケイ介であり、登場する海賊女の名前はケイであるし、マスターの左右にいる女性の名前はユウ(U)とアイ(I)である。またシナリオ後半にはタイラス艦隊など、それまで通常画面中の会話演出で出てきた市民艦隊が出るなど非常に作りこまれた演出に感服する。2027を超える機種、それを作るのはJPSなのかそれとも他メーカーなのか。パチスロ5号機は『新たなる海域(ステージ)』へ進み始めている。この記事を書いている段階では、次回作(?)である2027Xがトレードグループ内覧会で明らかになるらしい、実に興味深い。平日でなければ、行きたいところだった。